ピアノ、音、から学ぶこと
”聴く”ということが自然に意識できるようになります。
音を聞く耳が発達するので、語学の発音にもよい影響を及ぼします。科学的なデータを見たことはありませんが、私の周りのミュージシャン仲間は語学の発音に関しては、問題がないようです。どちらかというと、発音が綺麗で、ネイティブに近くなります。
やはりイントネーションや、細かい音の違いを聞き分けられるからだ、と思いますし、そのように言われています。
私自身、フランス語の習得はベルギーに留学する4ヶ月前に必死にやりましたが、1から10まで数えられることと、「サバ」というとても便利な言葉だけをトランクに入れて、ここベルギーにやってきました。ですが、バスの中でも、どこにいても現地人が話しているのを聴くようにし、発音にはあまり苦労しなかったようです。
またピアノという楽器は、複旋律、複数の声部を扱う楽器です。フルートやバイオリン、その他ほとんどの楽器は単旋律しか弾くことができません。
その点ピアノはメロディーと伴奏、それにハーモニーが加わるので、最低でも3つのパートがあります。
例えば3つの声部から成り立っている曲の場合、耳は3つ必要だ、ということになるのです。手は2つ、指は10本、足は2本、それらを駆使して、複数の声部を実現するためのコーディネート、バランスの感覚を養う必要があるのです。
そして耳、または手、足、といった身体の動きを使いこなす他に豊かな感情を養うことができます。
クラシックの力
ジャズも、ロックも、どのジャンルも素晴らしいものがあり、私は特にジャズとボサノヴァ、またポップスもアジアのものが好きです。
けれども、その中でもクラシックは、1世紀に1人、というような作曲家の生き様が曲に埋め込まれているため、そのエネルギー、思いを汲み取ることが大切です。彼らの、その素晴らしい生へのエネルギーは強いという言葉だけでは表現しきれません。なぜなら300年という歳月を超えてもひしひしと私たち、聞き手に大きな感動が伝わってくるのですから。
彼らが一体何を感じ、どんなことを音で表現したかったのか、という問いかけは、私たちの感情に寄り添うことを促します。
人生には誰しも悲しむ場面もあり、楽しい場面もあります。
- 悲しみ
- 喜び
- 怒り
- 恐れ
この4つは感情を大きく分類した場合の区分です。
こういった感情を感じ取り、表現することは演奏者にとって、不可欠であり、また演奏家自身の情緒を豊かにする助けになります。
そしてもう一つは心です。
これは、日々の練習を継続する力、また、できないことを練習で可能にする意志の力、そして、発表の場での自分に対する自信に向き合う力を学べる絶好の機会なのです。
サウンドヴァイブレーションコーチング
私が行うこのコーチングは感情に瞬時にリンクする音楽の特性を活かしたものです。目の前のクライアントの重い感情を軽くすることが、まず最初に念頭におくことです。
自分と向き合うことが大切とわかっていても、思考に支配されている頭、あるいはエゴでいっぱいになっている場合、容易なことではありません。
なぜなら
自分の本質と向き合うこと自体をエゴが避けようとするからです。
そんな時、音楽は思考に邪魔されずに感じる、Feelすることができます。
その場で私が奏でる音楽は、クライアントのその時のエネルギーと、そこに共感する私のエネルギーのミックスしたものです。クラシックでもなく懐かしいメロディーでもなく、
その場限りの、その人だけにしみ通る音楽なのです。
音楽によって身体は何かを感じ、開放されます。
時には涙が流れ
時には身体中が熱くなり
時には怒りに震えるのです。
意識していなかった封印していた感情を解放することで、思考から離れ本来の自分の心に届くことができます。
音楽はコーチの誘導がちな言葉の問題もありません。
クライアントの頭に浮かんだ言葉や情景は全て、自身の中からのメッセージだからこそパワフルなのです。
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