先月、7月に「音の跡」企画を、東京と横浜で、合わせて4回開催することができました。
年齢は4歳から70歳まで、のべ50人という、こんなにたくさんの方に体験していただいたことは、私にとってこの上ない大きな喜びです。
この企画、「音の跡」は
音を聞いて、思い浮かんだイメージや色、形なんでも、好きな方法で絵に可視化してみるというものです。
ピアノの演奏を聞きます。寝転んで聞いてもいいし、目を瞑ってもいい。聞いている間に描き出してもいいし、音楽の後、しばらく何もしなくてもいいのです。
いつ、どんな風に、どんな紙に、何を描いても、それはそのままその人の表現、すなわちアートなのです。
紙も大きい紙、小さい紙、ぶ厚い紙、薄い紙。自分で選ぶことができます。
描くということになんの制限もないのです。
具体的なイメージは子供が得意
ピアノの演奏と絵がマッチングしていることがよくあります。
子供の描く題材は具体的なことが多く、例えば、リズムがゆっくりで、まるで恐竜が歩いているような速さと重さを感じる曲だったりするとしましょう。
紙に表れてくる絵は、足跡が画用紙いっぱいに大きく描かれていたり、下駄を履いた足だけが紙いっぱいに描かれていたりします。
また、発色の綺麗なビビットな色をたくさん使っていることが多いです。線は比較的太く、塗りつぶしが多かったのも面白いと思いました。
それに反して大人の参加者は抽象的な絵が多く、色が多色であることが多いと思いました。
また、使う道具が線の細いもの。マーカーのように、とても太い蛍光色のようなものは、ほとんど手に取らないのです。また、細い鉛筆やクレヨンで、綺麗に整った感じで、画用紙を色でいっぱいにする傾向も見られたのが面白かったのです。
音や文字に色を感じる「共感覚」は幼児の頃みんな持っている
ここでもう一度「共感覚」とは何か確認しておきましょう
ある刺激に対して、通常の感覚のみでなく異なる種類の感覚をも生じさせる特殊な知覚現象。文字に色を感じたり、音に色を感じたり、形に味を感じたりとその種類は多様で、共感覚者の間でも感じ方が個々に異なる場合もあるようです。
保育のお仕事レポート
この共感覚は誰にでもある、あるいはあった、ということなのです。
ではなぜ「乳幼児」は共感覚を持つと言われるのに、大人には少ないのでしょうか?
赤ちゃんの頃はまだ脳が未熟であり、視覚、聴覚などの感覚を個別に処理する神経のつながりが未分化であるためと言われています。成長に伴い脳に変化が生じ、ほとんどの場合は大人になる前にその感覚が失われるとされています。
保育のお仕事レポート
つまり脳(感覚)の発達が未熟であるが故に視野も狭く、観察する範囲が狭いため、色々見えていないという反面、見えている範囲は、対象物を5感を総動員させ、さまざまなものとして捉えていると言えるのではないかということです。
大人になるにつけ失われると言われる「共感覚」
それは視野が広がり、危険に対して幅広いセンサーを身につけると同時に、5感を総動員させるのではなく、それぞれの感覚が細分化し、意識や知識がそれに代わり、イメージの膨らみ方が少なくなってしまうのではないかと思います。
みんなが持っていたとされる「共感覚」
5感を意識的に使った生活で、大人になっても、少しずつイメージする力が戻ってくることを期待したいですね。
イメージ瞑想が効果があるとされているように、人生を構築する上でもイメージ力は必要です。
ぜひ、5感を大切にした生活を心がけてみましょう。
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