ピアノが上達するには

アート

バレンボイムの言葉

数年前、YouTubeでピアニストのバレンボイムが, NYのジュリアード音楽院のピアノ科の学生を前に、マスタークラスを行っている動画を見る機会がありました。

ここでバレンボイムについて少し紹介しておきましょう。詳しく知りたい方はYouTubeなど、たくさんの動画がありますので、ぜひご覧ください。

ダニエル・バレンボイム(Daniel Barenboim, 1942年11月15日 – )は、アルゼンチン出身の、ユダヤ人ピアニスト指揮者。現在の国籍はイスラエルベートーヴェンピアノソナタ全32曲の録音を2020年現在までに5回残している唯一の現役ピアニストであ

ウィキペディア

彼の一言は、私の頭に残り、後々までその言葉の深い意味が生徒を教えるときにも、影響しています。

それは

生徒「ピアノが上達するためには何が必要ですか?」

バレンボイム「一言で言うと練習するときに統合を考える、です。」

その後の彼の説明をかいつまむと、ピアノという楽器の複雑さ、面白さ、素晴らしさはポリフォニーという複声部で構成されている曲を、2本の手、10本の指で表現しなければならないことに集約されます。

オーケストラ、弦楽4重奏、コーラス、グループバンド、これらは全て複数の音楽家によって成り立っています。それぞれの担当の旋律があります。規模は異なっても、一人ひとりが奏でる旋律の集まりで、創られるのです。

ところで、ピアノはどうでしょう。上記した複数の旋律を一人で演じるということです。

そして、その過程では、ピアノの技術はもちろん、指揮者の役割、すなわち全体的に音を聞く能力、人一人の音楽家としての能力、10本の指が、それぞれ独立する技術などが必要になるのです。

そしてさらに、そこで最後に重要なことは、それらを統合して聞く、考える能力ということです。

好きだけではプロになれない理由

よく聞く生徒さんの言葉で

「私は何よりもピアノが好きです。音楽もとってもすきです。なので、コンサーティスト、演奏家になりたいんです」

私はその言葉に、まずは喜びを隠せません。素直に嬉しいな、と思います。

何か力になりたいと思うのです。

しかし、多くの場合、ほとんどの場合はその夢は夢として終わってしまいます。

なぜでしょう?

そこには前記したバレンボイムの言葉である「統合」のとても大事な部分がかけているからなのです。

それは肉体的な鍛錬という地味な部分です。

恋にも似ている、好きと愛している

好き」というのは自分の感情に素直になっている感情です。

もう一方で、

愛している」というのは、自分の感情の好き、というもの以外のものを、大切に思う、ということだと思います。そこには作曲家の意図、意志の尊重。そして聞いている人を喜ばせるという演奏家としての使命ではないでしょうか。そのためにやらなければいけないことは膨大な理解力と、経験と、鍛錬です。ただ自分の好きに弾いているのとは、全く別な世界なのです。

最初は好きからでいい理由

ですが、なんといっても

「好きこそ物の上手なれ」です。

最初の一歩は、そこからが大事です。これがなければ長い道のりを耐えていくことはできません。

適切な指導のもとに、適切な時期に意識を変化させ音楽家としての道への愛を育てていくことが必要なのです。

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